序文とあとがきの人のブログ

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「新訂版 数理解析学概論」の第16, 17章について

具体例と測度や積分および行間について補足すべく作った, 内容をより良く理解するための自作演習問題.

ハール測度とルベーグ測度のハール測度としての性質も意識した(知り合いの数理物理学者がハール測度の理解のためも読んでいるので)

1. ユークリッド空間の可算集合ルベーグ測度について零集合であることを示せ. (ヒント:特定の被覆について外測度が出れば外測度の値の一意性からその値は任意の被覆に対する値でもある)

2. 可算集合を基に定義される測度空間で空でない集合の測度がゼロでないものを構成せよ. (ヒント:群の位数)

3. 任意の集合Xとその冪集合P(X)について m({})=0, m(A)=∞({}≠A∈P(X)) とすると(X, P(X), m)は測度空間であることを示せ. ({}は空集合. この問題のみ測度空間の定義にσ-有限性は仮定しない)

4. ユークリッド空間の空でない開集合のルベーグ測度は正であることを示せ.

5. ユークリッド空間のルベーグ可測集合Eに対してEのベクトルvだけの平行移動E+v=v+E={x|x=y+v, y∈E}とする. このときm(E+v)=m(v+E)=m(E)を示せ. (ヒント:ルベーグ測度の定義)

6. ルベーグ測度mとルベーグ積分関数fに対して
∫f(x+v)m(dx)
=∫f(v+x)m(dx)
=∫f(x)m(dx)
を示せ(積分範囲はユークリッド空間全域).

7. ルベーグ積分∫_Rχ_Q(x)m(dx)を求めよ.

8. 問題2で構成された測度空間において可測関数はR∪{±∞}への写像としての数列であり可積分関数の積分は絶対収束する無限級数であることを示せ.

9. ルベーグ可測集合Eに対して
m(E)=inf{m(O)|開集合O⊇E}
を証明せよ. (ヒント:(外)測度の単調性より
m(E)≦右辺)

10. ノルム空間Vにおいて三角不等式
| ||x||-||y|| |≦||x-y|| ( ∀x, y∈V )
を示せ.

11. ヒルベルト空間において内積は連続であることを示せ.

解答はこちら:https://twitter.com/reviewer_amzn_m/status/1017212767101521920

「新訂版 数理解析学概論」について詳しくはこちらを参照:https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R11XNGNRDZB3SY/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=476870462X